米国債を最上級から格下げ 「財政悪化を考慮」―フィッチ

格付け大手フィッチ・レーティングスは1日、米国債の格付けを最上級の「トリプルA」から「ダブルAプラス」に1段階引き下げたと発表した。今後3年間で予想される財政状況の悪化や、政府債務の負担増の影響を考慮した。

 米政府債務を巡っては、民主、共和両党が借入限度額である「債務上限」の引き上げで激しく対立。最終的には両党が折り合って、今年6月にデフォルト(債務不履行)が回避された。フィッチは「繰り返される政治対立が財政運営の信任をむしばんでいる」と指摘した。

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 フィッチは今後の財政見通しについて、国内総生産(GDP)に占める財政赤字の比率が高まると予想。低成長や金利上昇に伴い、2025年には6.9%と、22年の3.7%から大きく跳ね上がる見込みという。