社債の売買が1万円から可能に

2023年8月10日の日本経済新聞朝刊1面に「社債、100万→1万円単位に」という記事がありました。三菱UFJ信託銀行とNTTデータは2023年度内に1万円単位で社債を売買できるインフラをつくります。小口単位での売買に!!

三菱UFJ信託とNTTデータは社債をデジタル化し、ブロックチェーン上で管理するインフラをつくります。売買時の名義変更が自動化され、社債を販売する証券会社や、販売後に社債を管理する銀行などの関係者が情報を共有できる仕組みです。デジタル化によって発行や管理のコストを減らすことができ、1万円単位の小口でも取引しやすくなります。

小口での社債発行が増えれば、個人での売買がしやすくなります。22年度の個人向け社債の発行額は約2兆円。過去最高ではあるものの起債全体の2割弱にとどまります。社債は株式などと比べ「安全資産」といわれています。社債の買い手は定期的に利子を得ることができ、企業が破綻しない限り元本が返ってくるためです。個人が社債に投資しやすくなることで、資産形成の選択肢が増えます。

企業にとっては資金調達の手段が広がります。個人向け債の募集では、全国に支店をもち富裕層への接点が多い大手証券会社が中心的な役割を果たしてきました。今後はネット証券などが引き受けを増やすことも考えられます。企業はコストや販売チャネルなど、証券会社の特性に応じて引受先を選びやすくなることも期待できます。