FOMCは利上げ休止か、パウエル議長はタカ派の理解得る必要

過去1年余りにわたって利上げを実施してきた米金融当局が、一休みする準備を整えている。ただし、必要に応じて利上げを続ける用意があると強く示唆する可能性が高い。

  6月13-14日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、当局者らは政策金利を5-5.25%のレンジに据え置くと予想されている。これにより、最近の銀行セクターでの緊張を踏まえて見通しを判断することが可能になる。しかし、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はインフレでの進展が失速したと懸念する複数の当局者らの理解を得なくてはならず、驚くほど強靭(きょうじん)な経済を鈍化させるため一段の行動が必要かもしれないとの考えを示すだろう。

  ドイツ銀行の米国担当シニアエコノミスト、ブレット・ライアン氏は「当局者らは銀行セクターの緊張を引き続き精査し、潜在的な問題がないか確認するため、6月の会合で小休止する意向のようだ」と指摘。「しかし、労働市場が堅調で、パウエル議長がこれまで言及してきたインフレ指標で全く進展の兆しが見られない中、FOMCにはやるべき仕事がさらにある」と述べた。

FOMC当局者らは、昨年に反対者が2人いたのを除けば、最近は全会一致で政策を決定しており、インフレ押し下げへのコミットメントをしばしば同様の方法で表明してきた。

  ただ、金利が景気抑制に向け十分に高いと当局者らがみる水準に達する、あるいはそれに近づく中、一段の行動に関して異なる見解が浮上してきており、今後の会合で反対票を投じる当局者が現れる可能性が高まっている。

  政策当局者らにとって主要な問題は、銀行セクターの緊張が、既に進行している融資抑制にどの程度影響しているかだ。

  ウォラーFRB理事はこれについて、信用状況に大きな影響はまだもたらしていないが、そうした影響が景気に表れるのには時間がかかる可能性があるとの見解を示している。